第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
賑やかなランチタイム。
随行のカメラマンに写真を撮ってもらったり、お友だちのお弁当を見に行ったりと大忙し。
ようやく食べ終わったかと思えば今度はお菓子タイム。
和也が智の手を引いて友だちのいるシートにいく。
手にしていたお菓子を交換して笑いながら食べている。
その様子を見ている翔たち。
そこに莉那と千秋が別の母親と一緒にやって来た。
「松本くん、櫻井さん、相葉先生お疲れ様です。
ご一緒してもいいですか?」
莉那が話しかける。
勿論、異論のない3人はどうぞと言わんばかりに場所を空ける。
「相葉先生、今日、お休み取れたんですね?」
千秋が雅紀に声をかける。
「あっ知念さん!そうそう、休み取ったよ!
今頃研修医くんも羽根、伸ばしてるんじゃない?
うるさい指導医がいなくて」
「えー?どっちかっていうと泣いてると思いますよ?
相葉先生よりも松岡先生の方が厳しいし」
千秋は笑いながら凄いことを言う。
今年度、はじめて指導医になった雅紀。
中堅医師としてある意味雅紀も修行中なのだ。
莉那と千秋と一緒にやって来たのは年少から入園した大貴くんのママ。
「有ちゃんね、エルメのパティシエさんなの!」
莉那が自分のことのように言う。
「エルメってマカロンで有名な?」
珍しく翔がくいついた。