第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
お当番の子どもがまゆ先生に呼ばれて、みんなの前に立つ。
「皆さん、おててを合わせてください。
いただきますのお歌を歌います!」
せーのの合図で子ども達が歌い出す。
子ども達には当たり前の光景。
英語の歌詞をすらすらと歌っていく。
親たちはその姿を見てそれそれに成長を感じていた。
「みなさん、ごいっしょに!いただきます!」
「「「いただきます!」」」
みんなの声が響いて…賑やかなランチタイムが始まる。
智と和也はリュックサックからそれぞれのお弁当箱を取り出した。
それを潤はドキドキしながら見ていた。
果たして…二人は喜んでくれるだろうか…。
そんな潤の気持ちがわかる翔と雅紀は静かに見守る。
翔はそっとカメラを構えた。
智と和也が顔を見合わせ、せーので蓋を開けた。
破顔一笑。
そのまま、二人の顔は喜びに染まる。
あんなに苦手だと言ってたキャラ弁。
なのに目の前にあるのは間違いなくキャラ弁でしかもみんなとちょっと違う。
想像してないものが出てきて二人は大興奮!
「潤くん!潤くん!すごい!コマさん!コマさん!」
「ねぇ、翔ちゃん、まーくん、みて!これ!僕のコマじろう!コマじろうが描いてあるよ!」
お弁当を丁寧に置くと二人は潤に飛びつく!
「「潤くん、ありがとう!」」
声を揃えた二人がそのまま、どこかの番組の勝利シェフにするように…頬に小さなキスをした。