第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
長い長い滑り台を楽しみんだ後は…。
秘密基地のようなツリーハウスに登ったり、友達と広い原っぱを追いかけっこしたり…。
昼食までの時間を散々遊びまくった子ども達。
保護者はそんな子ども達を見ながら一緒に遊んだり話しながら情報交換したり…。
雅紀は子ども達に囲まれて、拐われるように子ども達の輪の中で楽しそうに遊んでいた。
潤はママたちに囲まれてこちらもなにやら楽しそうに話している。
翔は少ないながらも参加している父親たちと交流を深めている。
智と和也のクラスは不思議とサラリーマンより士業や個人事業主などが多い。
そのためか、学ぶところが多いらしく翔もその交流を楽しんでいる。
子どもだけでなく親ぐるみで仲のいいクラス。
その居心地の良さゆえに、もしかしたら子ども達よりも親の方が、迫る卒園を切ない思いで迎えることになると…感じていた。
小春日和の暖かな陽射しの下で元気にはしゃぎ回る子ども達。
やがて先生の号令で一ヶ所に集まる。
あっという間に昼の時間になっていた。
雅紀の手を両側から握った双子が翔と潤のところにやってくる。
「しょーちゃん、お弁当だって!」
「潤くん、あっちにシート、敷こう?」
あっという間に賑やかになる周囲。
どこの家庭も同じようなやり取りが行われていた。