第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
そのまま、しばらくじーっと考え込んでた智は次の瞬間、スイッチが入ったように手を動かしはじめる。
1度スイッチが入ったら一切の迷いもなくドンドン作り上げていく。
出来上がった土台を係員の所に持っていく。
「お願いします!」
元気にお願いをする智。
お願いした後は係員の作業を興味深げに眺めている。
その真剣な眼差しを潤はカメラに収めていた。
出来上がったキーホルダーを係員から渡される。
「ありがとうございます!」
ぺこりと頭を下げると潤向かって「出来たよー」って言いながら早足で戻ってくる。
手にしてるキーホルダーには5色の水玉と2個の星があしらわれていた。
「智…これ?」
潤が智に曖昧に問いかける。
そんな潤の問いかけに智はニッコリ笑って答える。
「これがねぇ、僕と和と翔ちゃんと…。
こっちがまーくんと潤くんね?
お星様はお父さんとお母さん!
お空からいつもみててくれるの!」
笑顔で言う智の頭を撫でる潤。
「いいのが出来たね!
じゃ、翔さん達に見せに行くか?」
潤の声に大きく頷くとリュックサックを背負い潤と手を繋いでアトリエ棟を後にした。