第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
集合時間の少し前に着くように家を出た5人。
集合場所にはすでにローズ組の子どもたちと保護者がいた。
やはり、圧倒的に母親が多いがちらほらと父親の姿も見える。
入園して5年目。
これまでの日々でクラスの保護者たちともだいぶ親しくなった翔たち3人。
気軽に挨拶をしながら用意された観光バスに乗り込む。
親と子がペアで座ることになっているため、智は翔と、和也は雅紀と一緒に座る。
潤は後ろ側に父親たちと纏まって乗った。
時間になり、バスが動き出す。
クラス担任のまゆ先生と伊野尾先生のほかに何人かの先生がサポートで同行している。
バスの中では先生たちが考えたリクレーションで盛上がる。
クラスのお友達全員と一緒にバスに乗ること自体が初めての子どもたちはかなり興奮ぎみで、車内はそれはそれは大騒ぎだった。
途中、トイレ休憩を挟んで1時間ちょっと。
一通り騒いだあとに目的地のアンデルセン公園についた。
すでに大人たちは子どもたちの騒ぎっぷりに若干疲れぎみ…。
一方子どもたちは到着したことで一気にテンションが上がった。
「まーくん、あのね、すごーく長い滑り台があるんだって、僕それやりたい!」
和也が雅紀の手を引きながら言う。
「じゃ、先生がいいよって言ったらやろうか?」
「うん!まーくんも一緒ね?」
「え?俺もなの?」
言いながら嬉しそうな雅紀。
そんな二人の様子を潤はカメラに収めていた。