第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
「お、二人ともおはよう!今日は早いね?」
いつもならもっと遅いのにと思いながら潤は二人に声をかける。
「潤くんおはよー!お外晴れたよ!」
智がニコニコしながら言う。
「そうだね、綺麗に晴れたね?ご飯食べて仕度しようね?」
「僕、パパたち起こしてくる!」
潤の言うことを聞かずに和也がまたパタパタと走り出した。
そのテンションの高さに苦笑する潤。
智はそんな潤を見ながらのんびりと自分の席についた。
潤は智に朝食を出して、先に食べさせる。
のんびり屋の智は食べるのが遅い。
後で急かすぐらいなら先に食べさせた方が幾分かはマシだと思ったからだ。
今朝はいつもよりも集合時間が早いから仕方ない。
智が食べ始めた頃に和也がリビングに戻ってきた。
その後ろに雅紀と翔が続く。
5人揃って朝食を取る。
朝食のあと、雅紀が智と和也を呼んだ。
洗顔と歯磨きを終えた和也が先に雅紀の元にいく。
「念のため、もしもしね?あと、酔い止め飲んどこうね?」
これをクリアしないと出掛けられないのは充分にわかってる和也は素直に雅紀に従う。
「よし、OK!智もおいでー」
リュックを背負った智が雅紀のところにやってくる。
全身でなにがなんでも行くと言ってる姿が可愛らしい。
最近は体調もいいし、あくまで確認だけなのにと思いつつ雅紀は聴診器を当てる。
「ふふ、智もOK!薬飲んだら行こうね?」
「うん!」
こちらも笑顔。
楽しい1日になりそうだと翔は3人を見ながら思った。