第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
賑やかな夕食が終わって、今日は雅紀とお風呂に入った二人。
終わるやいなや、リビングでリュックサックを振り回す。
「二人とも、準備するよ?」
潤の声に二人は声の主のもとに駆け寄る。
智の手には大空のように青いリュックサックが、和也の手には向日葵のような綺麗な黄色のリュックサックがある。
「ふたりとも、しおりは?」
「あるー」「これ!」
ふたりはそれぞれ色をつけたしおりをもってきた。
どっちが智のでどっちが和也のかはすぐにわかる。
「じゃ、ふたりとも準備するよ!」
「「はーい!」」
二人とも素晴らしくいい返事をする。
「ハンカチとティッシュは?」
潤の声に智が答える。
「あるー。和、はい、どうぞ」
智が和也にハンカチとティッシュを渡す。
「レジャーシートは?」
「ここ!こっちが智の!」
和也が智にレジャーシートを渡す。
「二人ともリュックにいれてね。お弁当と水筒とお手拭きは明日の朝に入れればいいから…」
「潤くん、おやつは?」
和也が嬉しそうな顔で聞く。
「雅紀ぃーキッチンの戸棚に入れてあるの取ってきて」
潤が雅紀に声をかける。
「はーい、今持ってくよ!翔兄、カメラの準備は?」
お菓子を持って雅紀がリビングにくる。
途中で翔に声をかけた。
大人たちは大人たちで準備をすることがあるわけで…。
なんとなく、バタバタとした夜がふけていった。