第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
家に帰りに玄関を開けると美味しそうな香りかした。
智と和也が元気に「ただいまー」と言いながら靴を脱ぐ。
「二人とも、うがいと手洗いしてきて」
潤のいつもの台詞に二人は顔を見合わせてすぐに洗面所に走っていった。
潤がリビングに入ると雅紀がキッチンにいた。
買い物してきた物を冷蔵庫に入れるためにキッチンに入る。
「あっ潤くんおかえり」
「ただいま。夕飯の準備ありがとうね?」
「どういたしまして。
明日のお弁当の準備もあるだろうからこれぐらいはね?」
「いや、マジ助かる。今日早かったの?」
「うん、昨日の夜は急変無かったから、あっさり帰ってこれたよ」
「よかったじゃん!平和が一番だし」
「ほんと、毎回こうだとありがたいんだけどね?
翔兄、部屋で寝てるから、もう少し寝かしといてあげたほうがいいよね?」
「そうだね…って二人に言わなきゃ」
洗面所に急いで向かう潤。
和也と智は小さな声で歌いながら仲良く手を洗ってた。
「潤くんどうしたの?」
「パパ、寝てるの?」
「よくわかってるじゃん。翔さん寝てるから静かにリビングで遊ぼうね?」
「うん!ねー潤くん、明日の準備、いつしたらいい?」
和也がすこし心配そうな顔で言う。
「大丈夫だよ、和、あとでやればいいじゃん」
相変わらずゆったりと構えてる智。
「そうだね、夕飯のあとにしようね?」
潤がうがいをしている間に双子はリビングへと戻っていった。