第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
無理は禁物というのは身をもって知っている3人。
だからそこは遠慮しない。
遠慮して体調を崩す方が迷惑だと言うことを分かっているから…。
以前それで失敗している3人。
その反省は今も十分に活かされている。
「智、和、迎えにきたよ~」
潤の顔を見た二人がすごい勢いでやって来る。
「潤くーん、おかえりー」
「明日、親子遠足だよ!」
智も和也も明日の遠足が楽しみ過ぎてテンションが高い。
「さとくん、かずくん、今日は早く寝てね?で、明日、元気に集合してね?」
伊野尾が二人に声をかける。
「うん、早く寝るー」
元気に智が答える。
「智はいつも早いもんな?和は早く寝ろよ?」
ここぞとばかりに潤が言う。
「お、かずくんは普段、早く寝ないんだ?でも今日は早く寝ようね?」
「うん!先生もね?」
「こら、和!先生に失礼だろ?すみません」
潤が和也を叱りつつ伊野尾に謝る。
「あ、気にしないでください。こんなの日常茶飯事なので」
え?それはどうなの?と思いつつ潤はそこには触れず、挨拶をして保育園を後にした。