第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
ようやく双子が眠りについて、潤の自分の時間が確保できる。
在宅で仕事をすることが多いとはいえそれはあくまで比重の問題で実際には外出も多い。
多少年齢が上がり弁護士としてのキャリアが積まれる分、様々な与件が増えるのも事実で、今年度は弁護士会の業務にも携わっている潤。
日中は極めて忙しくなっている。
ようやく自分の時間になったところで、潤は徐にパソコンの電源を入れる。
パソコンが立ち上がるまでの間にカフェオレを入れてくる。
立ち上がったPCのキーボードに指を滑らせネットサーフィンしながら気になる画像を検索していく。
必要な画像を保存して、予め作っておいた簡単な型紙にあててサイズを微調整する。
出来上がった型紙をプリンターで出力してみる。
あれだけキャラ弁に拘る智をみていたらなんとか叶えてあげたくて、色々調べた。
調べていくうちに立体でご飯をこねくりまわさなくていいキャラ弁をみつけた潤。
これなら出来ると、早速材料を取り揃えた。
夕食前に届いた箱の中にその材料が入っていた。
箱を開封して、中身を確認する。
自然食材から作られた色とりどりの食紅、細目の絵筆、使い捨てのパレットにオブラート、プラパン…。
「よし、やってみるかな」
揃った道具と型紙を持って早速潤はリハーサルをしてみることにした。