第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
「和、これ入れすぎ。一人でこんなに食べれないでしょ?」
一人で食べるにはあまりにも多い量のお菓子。
「ほら、少し戻して」
そう言う潤を悲しそうな目で見る和也。
「うーー。わかった…」
納得してない顔で頷き、かごを覗き込む。
「こっちにしようかな…それともこれ?でもこれ美味しいって涼介言ってたし…」
ブツブツと呟きながら一つ手にとっては戻すを繰り返す…。
智は相変わらずで、潤のイライラが募り始める。
「智は?いらないの?」
「ううん、いるの」
そう言うと1つだけ手に取り、和也のもとへ歩いていく。
「和、僕とわけわけしよ?」
和也ににっこり笑いながら言う。
そして今度は潤の方を向き確認するように言う。
「僕これ食べたいから…あとは和とわけわけじゃだめ?」
「和、それでいい?智と分けるなら丁度いい量だからこのまま、『くださいな』するけど。とうする?」
「うん、和、さとと、わけわけする!」
「和、俺と約束だよ?ちゃんと分けれなかったら潤くん怒るからね?」
「うん、わけわけする~和、出来るもん!」
「じゃ、約束ね?嘘ついたら…お尻ペンペンだからね?」
「うん」と大きく頷く。