• テキストサイズ

パパはニュースキャスター【気象系】

第7章  おべんとうばこのうた <双子6歳>


「さと…こまさんのお弁当がいい…」

まだ諦めてない智。

「だから、智くん、パパ言ったよ?
 潤にだって苦手なことがあるって…

 あのね、ご飯にしろお弁当にしろ作ってもらって当たり前じゃないんだよ?」

「だって約束したもん!
 ローズさんになったらこまさんのお弁当って…。
 親子遠足でたべるって…」

そこまでいうと泣き出した智。

その姿に潤が「わかったよ」と降参しようとするのを翔が止めた。

「潤、大丈夫。
 そこ、智が泣いてもブレないで。
 泣いてもさ、どうにもならないことがあるんだからさ」

「でも…曖昧にしてた俺も…。だから、ね?」

潤は泣いてる智の方を見て言う。

「智…泣かないで。俺さ考えるから。
もしかしたら智が思ってるのみたいにならないかもしれないけど、頑張るから…ね?」

「潤くん…」

グズグズと泣きながら潤を見る智。

それを翔が厳しい顔でみている。

「智くん、ちょっとパパとお話しようか?」

智の顔色が変わる。
翔の顔と声音に泣き止む智。

そのまま後ろに後ずさる。

「智くん?」

「やだ!パパ嫌い!」

そういうと智は駆け出し、自分の部屋に閉じ籠もる。

「智くん!出ておいで!」

「やだー」

二人のやり取りを苦笑しながら見守る潤と和也。

このあと親子の攻防はしばらく続いた。
/ 447ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp