第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
翌朝、いつもより少し寝坊した智と和也。
それまで殆ど友達と夕食を共にすることがなかったから興奮したのかなかなか寝つかずかなり苦労した潤。
いつものように朝食を用意していると、二人仲良く降りてきた。
「おはよう、お寝坊さんたち?」
からかうように声をかける潤に不満ですと顔にかいて反論する二人。
「おねぼうじゃないもん!
和、自分で起きたもん」
「さと、起きてたもん!
お布団から出なかっただけだもん」
「降りてこなくちゃ寝坊だよ?
ほら、もう、ミッキー終わっちゃったもん?」
録画してた番組がそのまま映るテレビ。
いつもの土曜日なら朝食を食べ終わったあとに見ている番組のエンディングが流れていた。
「ほら、テレビ消して。朝ごはんにしよう?」
潤の声に「はーい」と二人、声を揃えて返事をする。
3人で潤の作った朝食を食べていると玄関から音がして海外出張中だった翔が帰ってきた。
「ただいまー!智、和也、いい子にしてた?」
翔の第一声にいつもなら元気に返事するはずの双子が返事をしない。
怪訝そうな顔の翔は潤からのアイコンタクトでとりあえず、スルーして二人を見る。
「二人とも、お土産があるからご飯食べたら渡すね?」
「やったー」と素直に喜ぶ智と対照的にテンションの低い和也の様子に翔が心配そうな顔で和也の額に手を当てた。