第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
「智、和ー帰るよ?」
潤が店の前で涼介と追いかけっこをしている二人に声をかける。
「えー、まだ遊びたい!」
「ねー?涼ちゃんも遊ぶよね?」
和也と智が口々に言う。
「智くん、和くんまた今度、一緒に遊ぼう?
今日はもう遅いから帰らないとね?」
莉那に言われてどうしよう?という顔をする二人。
「ほら、二人とも涼介くんにバイバイして」
強制的に帰らせる作戦に出ることにした潤。
二人ともしぶしぶながら涼介にサヨナラをした。
車に乗ってバックミラー越しに二人を見る潤。
「ふたりとも楽しかった?」
「うん。また、一緒がいいなぁ」と和也。
「さとねー、いっぱい食べたよ!」と智。
確かに普段よりよく食べてた気がする。
「確かに、いっぱい食べてたね?
お友だちと一緒だったから?」
「うん、さとね、涼ちゃんもゆーりも好き。
でもね、一番は和なのー」
キラキラした笑顔で弟が好きだという智。
横で聞いてた和也も負けじと大声でいう。
「和も智が一番!
涼ちゃん、智の絵、ぐちゃってしたから…。
でも、ペンはもうしないよ」
「そうだね?叩くのはダメだったね?
でもちゃんとわかったもんね?
ふたりとも偉かったね?」
褒められた二人は嬉しそうに笑ってた。