第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
賑やかな食事を終えて店を出た。
「莉那先輩、侑李くんママ、今日は声をかけて貰って、ありがとうございました。」
「相変わらず真面目だねぇ、潤は。
楽しかったでしょ?たまにはいいよね?
今度は櫻井さんや相葉先生もいっしょがいいね」
莉那がにこにこしながら言う。
「あっ松本さん、もし嫌じゃなければ名前で呼んでほしいな。
莉那ちゃんだけズルくない?」
「ずるいって…子持ちになる前からの知り合いだからねぇ?」
莉那が反論する。
「ね?松本さん、まぁ千秋ちゃんは流石に厳しいだろうから、千秋さんあたりでどお?」
どおって…と思った潤。
しかし普段、雅紀から聞く話から想像するに逆らうのは良くないと判断した。
「じゃ、あの…千秋さん…で」
「やったー!
やっぱいい男から名前で呼ばれるのっていいね!」
喜ぶ千秋に侑李が不思議そうな顔で話しかける。
「ママ、にこにこでかわいいー。
どうしてニコニコなの?」
侑李を抱き上げると千秋は上機嫌で答える
「ふふふ、それはね、大人になったらわかるわよ?
さぁ、そろそろ帰ろうね?帰ってお風呂よ?」
「やーだぁー。まだ、涼介とさとくんとかずくんと遊ぶの!」
駄々をこねる侑李。
「残念、時間切れ~、かえるよ、侑李。
じゃ、帰るね?莉那ちゃん、潤さんまたね!」
そう言うと千秋は侑李を連れて颯爽と去っていった。