第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
潤は二人の話を聞きながら子どもたちに目をやる。
相変わらずよくわかるような分からないような会話をしながら笑顔でいる。
なのに次の瞬間にはもうその笑顔も消えてぶつかり合う子どもたち。
「さと、だめー和が先!」
「やっ、さとが先なの!」
「智、こっち、俺とやろ?」
「かずくんはこっちで僕と見よ?」
あっという間に笑顔になってまた仲良くしてる。
なんか本当にいい関係だなぁって心から思う。
「潤、ほらね?大丈夫でしょ?」
「はい、安心しました」
そこへ店員が食事を運んできた。
子どもたちの前にもお子さまランチが並ぶ。
みんなの分が揃うと子どもたちがそれぞれ手を合わせる。
「「「「いただきます!」」」」
しっかりといただきますをして食べ始めるのを見て潤はなんだか嬉しくなった。
「松本さん、どうしたの?」
「え?いや、成長したなぁって思って…。
ああやって自分たちで食べれるようになったんだなぁって」
「ほんとだよね?大分、楽になった気がする」
「え?莉那ちゃんほんとにそう思う?
私はまだ、楽になったとは思えないけど」
「そうかなぁ、最近、だいぶ言葉通じるよ?
『イヤ』の一点張りもなくなったし」
「あっ、それは言えてる」
莉那と千秋が笑ってるのを潤は食べながら聞いていた。