第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
「あのさ、潤、まだ申し訳ないとか思ってるでしょ?」
莉那がドリンクバーで千秋に手伝ってもらいながら思い思いのジュースのはいぅたコップを手にする子ども達を見ながら言う。
「いや、そりゃ、そう思うでしょ?
実際、和は涼介くんのこと叩いた訳だし」
潤は子ども達を見る莉那に向かって言う。
「おかえりー」
莉那は帰ってきた子ども達に声をかける。
「莉那ちゃん何にする?
ついでだから取ってくるよ?
松本さんは?」
急に話を振られて戸惑う潤となれた調子で「私、烏龍茶がいい」と言ってる莉那。
千秋が「りょーかーい」と軽い返事をする。
「松本さん?松本さんも同じでいい?」
再度聞いてくる千秋に潤は「お願いします」とだけ辛うじてこたえる。
先ほどまでのことなんてものすごい過去のことのように子どもたちは4人でよくわからない会話を繰り広げている。
それを横目に莉那が話を戻す。
「さっきのさ、潤は和くんが叩いた事に主眼を置いてるじゃない、
確かにさ叩くのはダメだよね?これが小学生なら。
でもさ、子どもたちまだそこまで大きくないし、お互い言葉も未熟でさ、もう、どうしようもなくて手が出たんじゃないかな?
しかもその前に和くんは明確な意思をもって涼介に止めるように言ってたんでしょ?
ここまでくるとしかたないことだと思うけどねえ」