第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
「和はいいの?このままで?」
潤が和也に聞く。
「和、悪くないもん。
智のこと守っただけだもん」
口を尖らせて言う和也。
「ほんとにそぉ思う?
智のことを思って守ったところは偉いと思うよ?
でもさ、そのやり方は正しかったと思う?」
「だって、智、涼ちゃんに『やめて』したのに、止めなかったんだよ?」
「うん、それはわかるよ?でもやめなかったらペンしていいの?」
「…だめ」
「俺もそう思うよ。じゃ、どうするの?」
「ごめん、する」
「その方がいいと思うよ」
それを合図に和也が涼介に向かって言う。
「涼ちゃん、ペンしてごめんね?」
「いいよ、和。ぼくもさとにイジワルしたから」
喧嘩はしてもこの4人、基本的に仲がいい。
もう、ニコニコしていつも通りのほのぼのとした雰囲気になってる。
仲がよすぎて喧嘩すると保育園でも伊野尾やまゆ先生がが言っていた。
「ねー涼介、ジュース取りに行こ?」
「うん、和もいこ?」
「さとも…ね?」
「うん、和と行く~」
勝手にドリンクバーに向かう子どもたち。
千秋がそのあとを追いかける。
続こうとする潤を莉那が止める。
「大丈夫、行かなくてもちゃんとちーちゃんがフォローするから。ね?」