第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
千秋がさっきまでよりも低い声で侑李に聞く。
「侑李、そんな意地悪したの?」
「いじわるじゃないもん。ゆーくん、さとちゃんと遊びたかったんだもん。
いつもさとちゃん、かずくんとばっかり遊んでなかなか、いっしょに遊べないんだもん。
ふたりで遊びたかったのに…。
涼介が来るとお絵かきじゃ無くて戦いごっこになるからやー」
「侑李…じゃあさ、さとくんと涼ちゃんが一緒に遊んでて、侑李が『あーそーぼー』って言って「だーめーよー」って言われたらどんな気持ち?」
「嫌な気持ち…」
「でしょ?でも、侑李、やったんだよ?」
「あっ」
千秋に言われて改めて自分の態度を反省した様子の侑李。
「涼介…ごめんね?」
素直に侑李が謝ると、涼介も素直に受け止める。
「いーいーよ」
にっこり涼介が笑うと侑李も笑って二人でハグをする。
「涼介、さとくんにちゃんと謝ったの?
涼介がブロックでつくった、剣をお友達に壊されたらどう思う?涼はそれと同じことをさとくんにやったんだよ?」
それを聞いて涼介が智の方を向く。
「さと、ごめんね?」
「いいよ、今度コマさん、一緒に描こうね?」
「うん、ジバニャンも!」
すっかりいつも通りに戻ってニコニコわらっている。