第6章 ボクラノリアル <双子5歳>
ファミレスに入り、まとめて注文して、食事が出てくるまでの短い間に子ども達の話を聞くことにした3人。
口火を切ったのは潤だった。
「ねぇ、和、なんで涼介くんのこと叩いたの?」
「だって…涼ちゃん…」
それだけ言うと黙る和也。
それじゃ理由がわからない。
「涼介、なんで和くんのこと怒らせたの?
涼がなんかしたんじゃないの?」
「りょー、なんにもしてないもん」
「智、そばにいたんでしょ?
どうしてか教えて?」
潤が今度は智に聞く。
「んとね、さと、ゆーりとお絵かきしてたの。
でね、涼ちゃんがね、僕の絵ぐちゃってしてかずが「だめー」って。
そしたら涼ちゃんが怒って、和も『きらい』ってペンしたの」
「涼介!どういうこと?
智くんの絵をダメにしたの?」
「和、智の代わりに怒ったの?」
潤と莉那が、それぞれに聞く。
頷く和也とばつの悪そうな涼介。
「なんでそんなことしたの?
智くんが一生懸命描いたものをそんな風にして…」
「だって、りょー、ゆーりと遊ぼうって言ったのに、ゆーりが『ヤダ』っ言うんだもん。
りょーも『いーれーて』って言ったのに」
涙目になる涼介。
千秋が鋭い目線で我が子を見る。