第2章 Family ~ひとつになること <双子0歳>
階段を降りる音が聞こえる。
「翔さん、夕飯、親子丼でいい?」
リビングに入ってきた潤の声。
潤がソファーに目をやるとそこにはスーツ姿で延びている雅紀の姿。
「まー?おかえり。
そんなところで伸びてないで着替えてきなよ」
「んー、そうだね?」
言いながらも動く気配はない。
「まーさーき?
スーツ、シワになるよ?
翔さんもそろそろ、本気で片づけてね?」
「わかったよ」
パソコンを落とし、広げてた資料を纏め始めた翔に追い討ちをかけるように潤の声が飛ぶ。
「場所移すだけじゃダメだからね?
ちゃんと自分の部屋に持ってってよ?
雅紀もいい加減動きなね。
ご飯、作らないよ?」
「うわっそれダメ!潤くんのご飯食べたい!」
雅紀がソファーから飛び起きる。
「じゃ、着替えておいでよ」
潤に追いたてられるように二人して自室に引き込む。
「まったく、困った兄弟だ」
潤は笑いながら夕飯の準備に取りかかった。