第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「もちろん!」
雅紀が向日葵のような笑顔で頷く。
「帰ったら録画、最高画質でしないとね?」
潤も嬉しそうに声を弾ませる。
「じゃ、失礼します!」
そう言うと中島たちは大きな荷物を抱えてエントランスに向かっていった。
「ほな、俺も局に戻るわ。翔くんはこのまま、帰ってええよ?」
横山が翔に言う。
「双子たち、まだまだ元気そうやなぁ。
あっ明日、午前中にナレーションな。
あっ、翔くん、取材証。
預かるわ、ちょーだい」
手を出す横山に翔は取材証を渡す。
「ありがとう、お言葉に甘えさせてもらう」
素直に礼を言う翔の肩を一つ叩くと手をあげてエントランスに向かった。
「ぱぱ?よこ、ばいばい?」
智が聞く。
「そうだよ、横山はこのあとまだお仕事があるから帰ったよ」
「よこ、おしごとなの?」
和也が心配そうに聞く。
「よこ、ねんねしないの?」
智も心配そうだ。
「二人とも優しいね。」
翔が笑いながら言う。
「大人になるとね、夜にお仕事しないといけないこともあるんだよ?」
「そうそう、俺だってお泊まりの日は夜中も仕事してるんだよ?」
雅紀が翔の言ったことを補足する。