第5章 Fantastic Version <双子2歳>
賑やかな音楽と共に煌めくフロートが次々とやってくる。
色とりどりの光が双子たちを照らす。
目をキラキラと輝かせながら夜を彩るパレードに釘付けの二人。
智の左手と和也の右手はぎゅっと繋がれ、空いた手を思いっきり振って楽しんでいる。
時に顔を合わせて笑いあう。
そんな二人の様子をそっと見守る翔。
カメラに映らない位置でそんな3人を見つめる雅紀と潤。
母親はいないし、父親も実父ではない。
でも、そこには暖かい家族の姿があった。
パレードが終わって…夜の闇にオレンジ色のあかりが灯る。
横山が智と和也に話しかける。
「二人とも楽しんだ?」
「ん、たのしかったぁ!」
「よこー、あーとっ!」
満面の笑みで横山に例を言う双子。
横山の顔にも笑みが浮かぶ。
「二人とも、お仕事どうやった?」
「たのしぃね?」
「ん、しゃと、おちごと、すきぃ!ね?」
「また、やりたい?」
そう尋ねる横山に二人は大きな声で「うん!」と言った。
「みんな、お疲れさん。今日の撮影はこれで終いや」
横山がテレビ日本のスタッフに告げる。
「中島たちはこのまま、局な?」
「はい!先、車戻って準備してます」
そう言うと中島と薮は少し離れたところにいる智たちのところに向かった。