第5章 Fantastic Version <双子2歳>
ちょっと早めの夕食も終わり、横山が告げた集合時間まであと少し。
夕暮れ時のディズニーランドはオレンジの光に包まれている。
パレードルートをはしゃぎながら駆け回る双子たちを翔たちは見守っていた。
普段と違う時間が流れている。
智と和也のはしゃぎようが、更に非日常感を増している気がした。
「ふたりとも、あんまり遠くに行っちゃダメだよ」
潤が声をかける。
なんだかんだで慎重な双子は自分の視界に翔たちの姿が映る範囲でしか遊ばない。
分かってはいるもののそのテンションの高さが不安にさせる。
パーク内にアナウンスが流れる。
それを合図に翔が二人を呼ぶ。
「二人とも戻っておいで。
パレード見る準備するよ?」
翔の声に「はーい」と答えて戻ってる二人。
智と和也は、ぱふって音がしそうな勢いで翔に飛びついた。
「うわっびっくりした!二人とも力が強くなったね?」
翔が二人の頭を撫でながら言った。
智も和也も嬉しそうに笑っている。
そこに横山が声をかける。
「おっ、もう、来てたん?智と和、もう1回お仕事出来る?」
「うん、できる~」と和也が元気に答える。
「しゃとも~できゆ~」と智も負けずに答えた。