第5章 Fantastic Version <双子2歳>
ビュッフェ台でニコニコ笑いながら、皿に食事を盛り付ける智と雅紀を見つめる翔。
翔は気持ちを切り換えて、食事を取る。
もちろんここでの取材も忘れない。
全てが番組に繋がると常々思っている翔。
良くも悪くもマスコミの人間なんだと思う。
翔が席に戻ると、和也も智も潤たちにサポートされながら夕飯を食べていた。
「ごめん、二人とも食事取りに行って。
雅紀も結局まだ食べてないんでしょ?
智たち見ながらでも食べれるから」
翔の言葉に雅紀も潤も素直に従う。
ここで遠慮しても仕方ないのは二人ともよく分かってる。
なので二人して連れだってビュッフェ台に向かう。
歩きながら潤が突然雅紀に話しかける。
「あのさ、ここ、前会計じゃん?
さっきね、会計したときはいらないかななんて思ったんだけど、やっぱり買おうかなって…」
「潤?ごめん、意味わかんないんだけど」
頭に?マークを浮かべた雅紀が聞く。
普段、理論的な話し方をする潤にしては珍しく直感的な話し方をする。
「あっごめん。
今日さ、智も和也もいつもより食べてるじゃん?
ミッキーの皿のお陰かな?なんて、思って」
「あぁ、そういうこと?」
得心したって顔で雅紀が笑う。