第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「智、大丈夫?」
心配そうに聞く潤に翔が答える。
「もう、大丈夫。
スティッチと話せなかったのがね、寂しかったんだって。
でも嬉しそうな和を見て言えなかったみたい」
「そっかぁ、まぁ、そういうこともあるね?
智、今度はお話出来るといいね?
でもさ、智がスティッチを好きなのはちゃんと伝わったと思うよ?
だから、お話し出来なくてもそんなに泣かないの。
ね?」
翔の抱っこされた智の頭を撫でながら潤が言った。
「ん、しゃと、お兄ちゃんだからえーんしないもん」
「さと、かっこいい!さすがお兄ちゃん」
智の精一杯の強がりを雅紀がそのまま受け止める。
「ん、しゃと、かっこいいの!」
「和?心配しなくても智、もうニコニコだから」
潤が和也に声をかける。
「ほら、二人とも、ベビーカー乗ろう?
でご飯食べに行こう?」
そう言って雅紀が手際よく二人をベビーカーに乗せる。
「んじゃ、行きますか?お子さまランチ?」
潤の声と共に歩き出した。