第5章 Fantastic Version <双子2歳>
二人から礼を言われた薮と中島はそれぞれ表情を緩める。
「どういたしまして、また、遊ぼうね?」と中島。
「楽しかったよ?またお兄ちゃんたちと一緒に遊ぼう?」と薮。
そこにはなんとも言えない癒しの空間が広がっていた。
それを破るようにキャストによる誘導が始まった。
横山に声をかけられた二人は横山の後に続く。
翔たちもそれに続く。
今回、プレス対応と言うことで翔たちにはシアター真ん中の通路前の観やすい席が用意された。
翔を真ん中に潤と雅紀がそれぞれ智と和也を膝に載せて座り、その横に横山たちが座った。
シアター内はほの暗く、青い光に充たされている。
そのせいか?智も和也も潤たちのシャツをぎゅっと握る。
気付いた二人が小声で大丈夫だよと声をかけながら背中を擦る。
横を向く体を正面に向けて見やすくする。
キャストの声を聞いて翔が二人に教える。
「もうすぐスティッチに会えるって」
ふたりともその声にすこし嬉しそうに笑った。
正面のスクリーンに映し出される映像が変わっていよいよアトラクションのはじまり。
双子たちはスクリーンに写るスティッチに大興奮。