第2章 Family ~ひとつになること <双子0歳>
「あっそうだ、車」
潤が突然、声を上げた。
「俺の車、納車されたよ。
後ろにチャイルドシートもばっちり着いたよ。
智は青で和のは黄色にしてみた」
嬉しそうに語る潤。
「うわーもう?来たの?
俺のはね、金曜日に納車してもらうことになってるよ。
後部用のDVDモニター、結局着けちゃった。
チャイルドシートは同じ型で発注してあるよ。
色も同じの指定しておいたほうがいいね?
それならどっちに乗っても双子たち違和感ないだろうし」
さっきまで難しい顔から一転、子どもみたいに嬉しそうに話す翔を見て、潤の顔にも笑顔が浮かんだ。
「もうちょっとしたら、夕飯、用意するね?
今日、雅紀は?当直だっけ?」
「いや、確か今日は明番のはずだけど…。
また、捕まったかな?
でも、もう夕方だしそろそろ帰ってくるんじゃない?」
「じゃあ一旦、部屋戻って着替えてくる。
翔さんはどうするの?
このままリビングにいるの?」
テーブルに置かれた翔の大量の資料とパソコンに目をやりながら聞く。
「うん、そのつもりだけど…ダメ?」
「ダメ…じゃないけどあとでちゃんと片づけてね?」
「はーい」
返事はいいけど多分やらない。
翔さんは片付け苦手だから…。
ほぼ100%的中する予想を胸に潤は部屋に戻った。