第2章 Family ～ひとつになること ＜双子0歳＞

交通事故で肉親を失ったものたち。

翔と雅紀は妹を、潤は兄を、そして双子たちは両親を…。

翔と雅紀、そして潤はこの結婚により縁戚になる前からお互いに知っていた。
もともと大学時代の友人だったからまさか縁戚になるとは思ってもいなかった。

それぞれの妹と兄の結婚が決まった時、すごい幸せに包まれた。

しかし…。

事故で全てが崩れた。

それでも…崩れたままでいるわけにはいかないと思った。

結果…愛する家族が残した大事な宝を守り育てようと決めた。

間もなくして潤はこの家に引っ越してきた。

現在は六本木にある大手弁護士事務所に所属している。

翔の育児休職には期限がある。
その期限切れと同時に独立開業すべく、今は水面下で調整している。

彼は日本での弁護士資格はもちろん、弁護士になってからアメリカに留学しニューヨーク州弁護士資格も得た。

商標登録や商標に関する特許侵害など知的財産関係を専門としているためクライアントには事欠かない。

日本では知財関係の専門家はそう多くないからだ。

その上、英語も堪能なため外資系のクライアントも多く自分の裁量で仕事ができる状況を作り出している。

翔の育児休職中はいいとしてもその後の育児に、時間の融通が利かせられるというのはかなり重要な要件であると考えた故のことだった。