第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「はい、お疲れさん。ほな、体験とまいりましょうか?」
横山の軽い口調。
そこに智と和也と手を繋いだ雅紀たちがやって来る。
智と和也は入口のスティッチのイラストだけで大興奮。
「かじゅー、てぃっちーいる」
「さとー、すてぃっちいるねー」
二人で手を繋いできゃっきゃきゃっきゃご機嫌だ。
「二人とも行くよ?」
潤が声をかけると手を繋いだまま、潤のもとに歩いてくる二人。
後ろから二人を守るようについてくる雅紀。
「ふたりとも、これからスティッチに会えるんだって」
雅紀が簡単にアトラクションの説明をする。
「てぃっち、あえる?」
智が目をキラキラさせながら雅紀に聞く。
「うん、もしかしたらお話も出来るかも?って」
「おはなち?すてぃっちと?」
和也も目をキラキラさせて聞く。
「もしかしたらだけどね?」
潤が保険を掛けるように言う。
あんまり期待させて万が一話せなくったら泣きかねない。
この辺はつい慎重になってしまう。
みんなでシアターまでの通路を歩く。
通路の壁にはアトラクションの舞台となる、観察ステーションの説明やスティッチ自体の説明などが描かれている。
通路を抜けると少し広めのエリアに出た。