第2章 Family ~ひとつになること <双子0歳>
でも…その侵略は嫌なものではない。
ただ本来ならば妹夫婦たちの部屋こそ、この侵略の被害にあっていたはずと思うと…少し切ない気分になる。
「翔さん?どうしたの?
ベビー用品を前にすごい難しい顔してるけど?」
ふいに声がかかる。
振り向くと濃いめの顔のイケメンが立っていた。
「潤、帰ってたの?」
「うん、クライアントとの打ち合わせ、早めに終わったから」
「日曜日なのに大変だね」
「仕方ないよ、ある程度クライアントに合わせないといけないし。
でもその分融通も利くから…双子たちの面倒、一緒にみれるよ」
濃いめの顔にさわやかな笑顔を浮かべる潤と呼ばれた青年。
彼はこの家の主である翔の義弟。
そして、この家の住人の一人。
名前は松本潤。
職業、弁護士。
先日の東名高速での事故で兄と義姉を失った。
彼の兄の名は大宮達也。
双子たちの父親。
達也と潤は血縁関係はない。
達也の父親と潤の母親が再婚したため兄弟になった。
潤にとって達也は血のつながりこそないものの憧れの存在だった。
その兄が事故で世を去った。
生まれたばかりの子どもたちを残して…。