第5章 Fantastic Version <双子2歳>
横山と共に翔が見える取材陣専用エリアに入った雅紀たち。
シンデレラ城前のキャツスルフォアコートで中継の準備をしている翔。
そこから少し離れたパレードルート内からその様子を見ている。
「この中継の後な、翔くん、ずぶ濡れになるイベントの中継があるんや。ここにおると、濡れるかもしれへんけど、子どもら大丈夫?」
横山が心配そうな顔で雅紀と潤に確認する。
「とりあえず二人の着替えは準備してるけど?」
潤が言う。
「智が酷しいかも?どう思う?潤くん」
「どうだろう?
智、ここで翔さん見てると、お水バチャってくるらしいよ?
大丈夫?
それとも、見えないけどバチャ無いところに行く?」
「いーい。しゃと、ぱぱみりゅー」
「バチャしても平気?」
「ん、がんばゆ」
「かず、だいじょーぶなの」
どや顔の和也。
確かに和也は水を嫌がらない。
「二人がこう言ってるので…このままいても大丈夫ですか?」
「もちろん!あっそうや。これ念のため腕に付けてもろうていい?」
そう言って横山は≪PRESS≫と書かれた腕章を潤と雅紀に渡した。
「周りのお客さんの目があるから…すまんね」
横山はそう言って手を合わせた。