第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「おっしゃー!後は任しとき!
悪いようにはせーへんから」
「当たり前だ、変なこと起きないようにしてくれよ」
翔が念押しをする。
「おうよ!
翔くん、そろそろ次の中継の準備して」
横山がディレクターとして指示をする。
「薮、お前さ、翔ちゃんと先に行きぃ。
んで、行って場当たりしといて。」
横山がカメラマンの薮に声を掛ける。
「わかりました!櫻井さん行きましょ?」
二人を見送りつつ、潤たちの方を向く横山。
「で、潤くんやまーくんはどないする?
良かったら、見学せーへん?
智と和も見るやろ?
パパのお仕事」
横山が双子に話しかける。
「ん、しゃと、みーるー」
「かず、ぱぱ、みたーい」
智と和也は大喜びで手を叩く。
「ええよ、ええよ。
ほなパパのお仕事見れる場所に移動すんで!」
そういって店を出ようとする横山。
潤が会計をしようと伝票を掴もうとした手は別の手によって宙を舞った。
「大丈夫です、これは局の経費で落としますから」
にこやかに笑う中島。
「先に横山さんと向かってください。
すぐ追いかけますから」
そのまま会計に向かう中島に軽く会釈して潤たちは横山に続いた。