第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「おちごと?」
智が小首を傾げる。
「そう、お仕事。翔さんのお仕事はテレビに出ること」
「まーくんは?」
和也が興味津々に聞く。
「雅紀はお医者さんだから、モシモシしてバイ菌バイバイするのがお仕事だね?」
潤が雅紀を見ながら言う。
「そうだね。潤くんのお仕事は…ちょっと説明が難しいなぁ」
雅紀が困った顔で言う。
商標専門の弁護士って大人にだって説明が難しい。
「うーん。簡単にいうと…正義の味方?みたいな」
雅紀の大雑把な説明に目が輝く双子。
「じゅんくん、あんぱーんちするの?」
和也がワクワクしてますって顔で聞く。
家で見なくても保育園でお友だちから教わるのかその辺は知っている。
「ちあうよ、めろめろばーんちだよ」
智がへんな突っ込みを入れる。
多分そう言う問題ではないと思う…。
「ふたりとも、どっちもやらないよ?
約束通り、離れたところで翔さんのお仕事を見学しようね?」
潤がやんわりと脱線した話を元に戻す。
「ね、潤くん、なんか周りに人、多くない?」
雅紀が小声で潤に話しかける。
潤もその声に釣られて周りをみる。
確かに注目を集めてる気がする…。
そこに横山がやって来た。