第5章 Fantastic Version <双子2歳>
【予定より早いけど二人がお昼寝、
拒否ってるらしいからこれから保育園に
迎えに行って来るね!
車で行くからそんなに掛からないと思うよ。
翔ちゃんの話、ついてからでも大丈夫?
まずいようなら電話ちょーだい 雅】
雅紀のメールに返信する。
ちゃんと会って話した方がいいから…。
【お疲れ様、お迎えありがとう。
話はこっちに来てからで大丈夫。
安全運転でおいで。
着いたら連絡して。よろしくね? 翔】
送信ボタンをタップしたところで横山が戻ってきた。
「ふふふ、根回し完了したで」
怪しい笑みを浮かべる横山。
そんな横山を若干、引き気味にみる翔。
バタバタと中島が戻ってきて横山に耳打ちする。
それに頷いた横山がディレクターらしくスタッフに指示を出す。
「翔くん、そろそろ1回目の中継の準備入るからメインエントランスに行くで」
「おっ、もうそんな時間?
あっ、雅紀からメール来てもうしばらくしたら着くらしいよ」
「おう、了解。中島、白のエルグラな」
「はい!」
そのまままた、何処かに走って行った。
なんだろうと思いつつ気持ちを中継に向ける。
14時3分。
スタジオとの中継が始まった。