第5章 Fantastic Version <双子2歳>
今の番組のプロデューサーの錦織は横山のことを買っており、そのことは横山もわかっている。
故にこの番組のフロアディレクターを打診されたとき、深夜番組のプロデューサーを蹴ってこっちを選んだ。
局内では出世の道を断たれたと囁かれたがそれならそれで構わないと横山は思ってる。
そんなもん、自力で切り開いたる!
そう思っているから…。
「あぁ、その前にちょっと局に連絡入れてる来るわ。
待っとって」
そういって横山も席を立ってしまう。
翔はスマホを取り出し、雅紀と潤に短いメールを送った。
送信ボタンをタップして小さくため息をつく翔。
ちょっと前に東山に勧められたことが期せずして現実になりつつある。
なんでこうなったんだろうと思う反面、仕方ないのかもと思わなくない。
自分のことはともかく、智も和也も可愛いし、弟たちもイケメンと呼ばれる類いの顔立ちなのは理解している。
とにかく、どこに行っても物凄く目立つから…。
二人に相談してからだけど、きっとこの流れは止められないだろうなぁと翔は思う。
ならば、少しでも智と和を守る方法を考えなくちゃと思う。
そんなことを考えていると雅紀からメールが来た。