第5章 Fantastic Version <双子2歳>
「そういうことや」
ようやくわかったか、馬鹿って顔で翔をみる横山。
そりゃそうだ。
雅紀も潤も学生時代にバイトとしてモデルをやってた。
それぞれ別の事務所に所属してたが共通の友達もいるし今でも時々遊んでる。
その時に二人の写真を見せたんだろう。
そりゃ知れわたるよな。
考えもしなかったけど…。
横山の言う通り確かにうちの環境は少し一般とは違うらしいと思わざるを得なかった。
「どっかに所属させるとか…嫌なんだけどな」
翔が半分諦めた様に言う。
変な形で世の中に分かってしまうなら…いっそ手の届く範囲での方が数段マシだ。
「その辺はうちの法務に相談して悪いようにはしないで」
にやりと笑う横山。
「翔くんの番組だけならええやろ?
そんなら編集とかにも口挟めるやろ?」
もはや頷かざるを得ない状況に追い込まれてる翔。
「せめて、雅紀や潤に相談してからでもいい?」
「もちろん、かまへんで」
「一応、ありがとうって言っとくよ、横」
二人の会話を傍でずっと聞いてた中島。
その中島に横山が指示を出す。
「裕翔、お前あれ、用意しといて」
言われた中島は指示の内容を確認する。
「あれですね?」
「おぉ、あれな、頼むで~」