第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
ひなママの助言を胸に、翔は部屋を出る。
智と和也の声が聞こえた気がしたが振り返らず部屋を出た。
「いってきます、待ってるから…あとでね?」
小声で呟いた、翔はそのまま駅に向かい電車に乗った。
翔が部屋を出たあとのクラス。
泣き出すかと思った双子はなんとか泣かずにいた。
「しゃと、えーんしないもん」
「かず、おにいしゃんだもん」
二人とも小さな声で呟く。
見守る雅紀と潤の顔に笑みが浮かぶ。
「ふふふ、さとも和も頑張ってるなぁ」
「このあとまだお楽しみがあるからね?」
二人は顔を見合わせながらそう言って笑った。
ランチタイムは賑やかなものだった。
先生が配膳するのを待つ子どもたち。
ひなママがまるで内緒話の様に言う。
「幼児クラスになると上のホールでビュッフェ形式になるんですって。
自分で配膳して自分でトレイを持って…。
なんか、今の様子からだと俄に信じがたいけど…そんな風に成長するのをみるのは楽しいでしょうね?」
「なんか…すごいね、ここ」
雅紀が呟くように言う。
「うん、ほんと、有り難いよね」
目線は子どもたちに向けたらまま、潤がいう。
「さととかず、席が離れてるんだね?」
「ほんとだ。でもそれぞれ楽しそうじゃん。
やっぱりずっと一緒だと世界が狭まるもんね?
クラスは一つしかないから分けられないけど…ね?」
楽しそうに食事をとる二人に笑顔が溢れる。