第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
翔はひなママと隆果ちゃんのやり取りを聞いて我にかえった。
「まるちゃん、和のこと、好きって言ってくれてありがとう。
これからも仲よくしてね」
自分の子どもが『好き』と言われて嫌な思いをする親は少ないと思う。
子どもの純粋さが眩しいと思った翔はお礼を言った。
「ほら、お席に着こうね?みんな待ってるよ?」
そして大人として促す。
言いたいことを言って満足したのか素直に席についた隆果。
それを見ながら翔が呟く。
「女の子って…スゴいな…」
隣で頷く雅紀と潤。
「和くんモテるんだ。まぁ可愛いもんなぁ。
さとくんもモテモテみたいだし…。
櫻井さんたち、二人が大きくなったら大変ですね?」
ひなママがのんびり呟く。
女の子が着席し、次は男の子。
時計を見るとそろそろ翔は出ないとまずい時間。
雅紀と潤もわかっているのか、合図を送ってきた。
ひなママも気が付いたのか、「櫻井さんこれからお仕事ですか?」と聞いてくる。
隠すことでもないので翔は答えた。
「今日、このあと、ディズニーランドから生放送なんです。
そろそろ出ないとまずくって」
「あら、それは大変。お疲れ様です。
泣かれても後ろを振り返らず!ですね?」
「やっぱ、そうですよね?」
「ええ」
微笑むひなママには余裕が見られた。