第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「ねーねー」
小さな手が翔のズボンを引っ張る。
「なに?どうしたの?」
翔は目線を下げてズボンを引っ張る女の子に向き合う。
「かずくんぱぱ?」
「うん、そうだよ?えーっと…」
名前がわからずどう呼んでいいかわからない翔。
助け船を出してくれたのはひなママ。
「まるちゃんどうしたの?和くんパバにご用事?」
そう言って女の子に聞きつつ小声で翔に教える。
「櫻井さん、丸山隆果ちゃん」
まるちゃんと呼ばれた女の子は翔に向かって言う。
「かずくんぱぱ、あのね。
るかね、かずくんがすきなの。
おおきくなったらけっこんするの」
あまりにも突然の宣言に驚く翔。
それまで「じゅんくーん」とか女の子たちに声を掛けられそれに笑顔で対応してた潤も、潤と一緒に女の子たちに囲まれてた雅紀もぽかーんとした顔をしている。
「え?」
とてもちまたで評判のイケメンアナウンサーとは思えない顔で聞き返した翔。
それを見ながら笑いを堪えるひなママ。
「まるちゃん、早くお席につかないと先生、こっち見てるよ?
それにさ、和くんはなんて言ってるの?」
「『やーだ』言うの。るかより『さとくんがすき』って」
「じゃまずは和くんの気持ちからじゃない?
和くんパバ、ビックリしてるよ?」