第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
様子を見ていたひなママが、笑いながら言う。
「智くんも和くんも素直でかわいい!
うちなんて、何を言っても『いや』『しない』ばっかり。
正に魔の2歳児って感じなのに…」
最後にはため息が漏れていた。
「うちの子達多分、すこし成長がのんびりなんだと思います。
でも言われてみれば最近、「いや」が増えた気がしますし…」
翔は目は双子をみたまま、独り言のように言う。
「うん、最近、手強くなってると思う」と雅紀。
「あれが可愛いってことはまだ酷くなるんだ」
ため息とともに潤が呟く。
「『魔の2歳児』怖いな。うちは2倍だし」
翔の声が現実をつきつける。
なんとなくどんよりする3人にひなママが余裕を滲ませて言う。
「大丈夫、なんとかなりますよ」
たった一言だけどすごい力強く感じた3人だった。
「あの、ひなちゃんって上にご兄弟とかいたりするんですか?」
大丈夫の一言に裏打ちがある気がした翔が控えめに問う。
「いますよ、上に。小5のお兄ちゃんが」
笑いながら言うひなママ。
「嘘…見えない、そんな大きな子がいるなんて」
呟く雅紀の横っ腹を潤がつねる。
「お前、女性に言うことじゃないだろ」
小声で言う潤。