第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「さ~と、みんなお部屋に戻ってるよ。
さとも行っておいで」
優しく声をかけ、抱いていた智を床に下ろす。
「かずもね?」
雅紀が腕の中の和也に言う。
智が翔たちを見つめて言う。
「ぱぱたちも」
「さとくん、パパたちはね、入れないの。
ほら、お友だちも先生たちも待ってるよ
行っておいで」
納得しない様子の智。
和也にも同じ様に声をかけるが首を振る。
さてどうしたらいいかと思っているとまゆ先生が二人を迎えに来た。
「さとくん、かずくん、翼先生の準備するよ」
「しない、しゃと、ぱぱとがいい」
翔の足元にくっつく智。
和也は先生と家族たちの顔を交互に見て考えている。
さて、困ったと翔が思っていると潤がしゃがみこみ智に目線を合わせて言う。
「さと、今は保育園の時間だよ?
みんな待ってるよ?
はやお迎え、なしでいい?」
隣で聞いていた和也が素早く反応する。
「さと!みっきーさん!」
弟の一言で兄も動く。
「しゃと、ちゅばしゃしぇんしぇーいく!」
「よーし!二人とも行っておいで!
ふたりが頑張るところ見てるから」
そう言うと二人の頭をポンポンと撫でる潤。
「ってきまーしゅ」
「ぱぱ、まーくん、じゅんくん、ばーばい」
二人は先生のところに歩いていった。