第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「あれ?いってなかったっけ?本当の園医は松兄だけど病院の勤務との兼ね合いがあるから手伝いで来るの」
「え?松兄なの?園医」
再び知らなかったという顔の翔。
潤が呆れたように言う。
「翔さん、忙しいのは分かるけど園からの手紙ぐらいちゃんとチェックした方がいいよ」
反論の余地がない翔は素直に謝る。
「はい、反省してます。以後、気をつけます」
そんなやり取りを楽しそうにみていたひなママ。
「ほんと、仲が良いんですね?智くんとかずくんも仲良しだし、パパたちのいい影響ですね」
「本当にいい影響だと思われますか?」
初対面の人間に聞くべきことではないだろうが思わず口に出た。
一瞬驚いた顔をしたひなママはすぐに笑顔で頷いた。
「櫻井さん、不躾を承知ですが…血の継がりが全てじゃないと思います。
そこに愛情がなければ例え血だけが繋がってたってダメなんです。
私からすると凄く素敵な家族だと思いますよ、櫻井さんたち」
そこにトイレを済ませた智と和也が走り寄る。
「しょーちゃん!しゃと、ちーできた!」
「かずも!」
二人を抱き上げた翔。
「ふたりともすごいじゃん!」
そう言う翔の顔は立派に父親の顔だった。
そのままそれぞれ潤と雅紀に手を伸ばし同じ様に報告する。
それをニコニコ聞きながら褒める雅紀たち。
それはとても微笑ましい光景だった。