第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「それは嬉しいです。
こんな職業ですが、できれば普通に一保護者として接して頂けるとありがたいです。
あの、ご存じかも知れないですがうち、男所帯の上に僕の仕事が特殊なせいかなかなかそういう場に招かれることもなくて…。
そのせいで子どもたちに寂しい思いをさせてるんじゃないかと気にはなっていて…」
「ふふ、櫻井さん考えすぎですよ。
このクラス、パパの参加率も高いし、まだまだ長い付き合いになりますよ?
肩肘はらずに是非!」
そうこうしているうちに、トイレタイムで子どもたちがぞろぞろと部屋から出てきた。
口々に「さとくんパパ!」「かずくんパパ!」とか「ひなママ」とか「じゅんくん」とか言いながら目の前を通る。
「あっ、まーせんせ!」なんて声も上がる。
にこにこの子どもたちに名前を呼ばれるのはくすぐったい感じがする。
「潤くん、子どもたちにも『じゅんくん』ってよばれてんだぁ」
雅紀がからかうように言う。
「しょーがねぇーじゃん、智と和がそう呼ぶから」
まぁ、そうなるよね。
翔は思ったが口には出さなかった。
「それより、全然保育園に来ないまーのこと知ってる子がいたのに驚いたけど?まー先生?」
「そりゃ、患者さん…いるし。ときどき検診の手伝いに保育園来るし」
「え?そうなの?」
驚いた翔が声をあげた。