第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
朝の会が終わるとすぐに10時のおやつ。
準備に向かう先生と子どもたちを見る先生に別れて動く様子を廊下から見ている3人。
隣に人の気配を感じてそっちを見ると同じ2歳児クラスの保護者のようだ。
「松本さん、おはようございます」
その保護者から声をかけられた潤。
「おはようございます、今日参観にしたんですか?」
「ほんとは明日が良かったけど…仕事の関係でそうもいかなくって」
親しげに話す二人。
翔も雅紀も訳がわからないまま、そのやり取りを見ている。
そんな二人にその女性が声をかけた。
「いつもお世話になってます、村上ひなの母です」
軽く会釈され、あわてて会釈する翔と雅紀。
「あぁ、ひなちゃんの…。
こちらこそいつもお世話になっています、櫻井です。
こっちは弟の…」
と言ったところで逆に知ってますって顔でひなママが言う。
「大学病院の相葉先生ですよね?
ちーちゃんから聞いてます」
またまた知らない名前が出てきて不思議そうな顔をする二人にひなママは続ける。
「ごめんなさい、ちーちゃんって知念さんのことです」
「ママさん同士、仲がいいんですね?」
思ったまま言った雅紀。
「彼女とは家がちかいし、お迎えの時間もほぼ一緒だから…。
ね?松本さん?」