第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
先生の号令で始まった朝の会。
2歳児クラスはこの一年で2歳から3歳になる子ども達のクラス。
双子たちは月齢でいうと丁度まん中ぐらいか?
思った以上に落ち着いて席についているのが印象的だった。
名前を呼ばれ、返事をする子どもたち。
小さな小さな学校を見ている気分。
こうやって色々、吸収してるんだなぁってこんな僅かな風景でも感じられた。
出欠を取りおわるとビアノの前に座ったスズ先生が伴奏をはじめた。
子どもたちが伴奏にあわせて歌い始める。
「♪~はろぉ、はろぉ、はわゆとぅでー~」
「なんかすごくない?英語で歌ってるじゃん?」
感心した顔で呟く雅紀。
「あーこれだったんだ」
ようやく納得したって顔の潤。
「ん?どういうこと?」
潤の呟きが理解できずに翔が問う。
「ん?あぁ、いや…ね?
時々さ、智も和もなんか呪文みたいな英語っぽい歌を歌ってるんだけど…。
発音も音程もかなり微妙でなにを歌ってるのかずーっと謎だったんだよね。
多分、これだわ」
まだまだ発音が不安定な双子たち。
年齢を考えればこれが普通なんだろうけど3人揃って難解な智語、カズ語の解読に苦労している。
一生懸命話してるからなんとか理解してやりたい。
なかなか観察力や想像力の鍛えられる作業だったりするがこれが楽しいと思えるようになっているのは親としての成長なんだろうなとも思う3人。
ヒントは至るところに転がっているみたいだ。