第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
9時前になり、先生たちの号令で片付けが始まる。
といってもブロックを雑多にケースにしまうとか、使った道具を保育士や補助に入ってるスタッフに渡すだけだが、この歳の子ども達にとっては立派なお片付け。
先生の歌声とともに子ども達が動く。
「この歌って昔歌わなかった?」
懐かしいと顔に書いた潤がいう。
「うん、幼稚園の時歌った気がする」
雅紀も少しくすぐったそうに言う。
翔はそんな二人の様子を見て微笑みまた、目線をクラスに戻す。
2才児クラスまでの所謂乳児クラスの参観は廊下からが基本。
保育室からも丸見えだが、この距離感が大事なようだ。
中の声が聞こえるようにと廊下側の窓が少し開いている。
まだ、絵を描いていたかったのかグズる智。
保育士が何か声をかけてる。
さすがにこの距離じゃ話してる内容は分からない。
そこにさっきまでブロックで遊んでいた和也が来て智に話しかける。
すると、智は頷き、和也が出した手を握った。
そのまま、空いている席に座る。
片付けを終えた他の子どもたちもバラバラと椅子に座る。
子どもたち用の椅子は小さく、低く、おもちゃのような可愛さを感じる。
全員が座ったところを見計らってまゆ先生が
「これから朝の会をはじめます」と号令をかけた。