第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
保育園に到着するといつも通り、登園時間を打刻する。
潤と雅紀はそれぞれ和也と智の手を引いて2才児クラスの部屋に向かう。
乳児クラスの各部屋はフローリングがコルクになっている。
少し柔らかい床。
既に登園している子どもたちが楽しそうに転がったりコーナー分けされた場所で好きな遊びをしていた。
「さとくん、かずくん、おはようございます」
部屋に入ると担任が声をかけてくる。
「ふたりとも、よかったね?今日はパパ達に見てもらえるね?」
ライトブルーのエプロンワンピにパフスリーブのブラウスというこの保育園の制服に身を包んだこのクラスの主任保育士のまゆ先生。
まゆ先生はこのクラスを担当して今年で3年目。
0才児クラスからずっと持ち上がっている。
智と和也が1才児クラスで入園したときからずっと優しく見守ってくれている先生の一人で双子もとてもなついている。
けして美人というタイプではないが、母性豊かな優しい先生で叱るときは真剣に叱ってくれ、誉めるときは誉めるメリハリの効いた保育で保護者の間でも評判のいい保育士のひとりである。
二人にとっては母親のような存在と言っても過言ではないかもしれない。
「さとくん、かずくん、朝の会まで自由遊びしてていいよ」
まゆ先生の声掛けで智はお絵描きコーナーへ、和也はブロックのあるところに行く。
最初の頃、先生方の腕に抱かれ泣きながら預けた頃とは違う、成長した姿。
3人は顔を見合わせその様子を廊下から覗いていた。