第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
「そっかぁ、侑李くん、泣いちゃったんだ。」
潤は双子のクラスメートの顔を思い浮かべながら言う。
「ん、ゆーり、えーんちてた。ね?かじゅ」
「んとね、りょうしゅけもちょっとえーんしてた」
「やっぱり2歳児クラスぐらいだと親と別れるときに泣くんだなぁ」
そんなもんだよねって顔をして頷く翔。
「でもさぁ、泣かれると後ろ髪引かれない?」
と潤。
相変わらず双子に泣かれるのは苦手だったりする。
「わかるー。
ならし保育の頃とかほんと、しんどかったもんな」
翔は1年前を思い出して言う。
「うん、ほんと、あれは辛かった。
何度俺が泣きそうになったか…」
潤は思い出して涙ぐみそうになってる。
話題を変えるように双子に話しかける翔。
「智、和、明日さ、パパも侑李くんのママや涼介くんのところみたいに保育園で二人を見てようと思うんだけど…そのあとお仕事があるのね。
ふたりともパパがお仕事に行くときに泣かずにバイバイ出来る?」
「しょーちゃ、くるの?」
目をキラキラさせていう智。
「しょーちゃ、いっしょ?」
ニコニコしながら聞いてくる和也。
「うん、そのつもりなんだけどね、パパ、二人が泣くところを見たくないんだ」
「かず、えーんしないよ。ね、さと?」
「ん、しゃと、にぃにだもん!えーんないよ」
ふたりとも自信満々な顔で言う。