第4章 BOYS LIFE <双子2歳>
思わず出そうな溜め息を飲み込み、和也に目をやる潤。
「じゅんくん、はんばーぐ、おいしー」
「和、ほんと、ハンバーグ好きだよなぁ」
「ん、すき。おいしーの」
「そうだよなぁ、潤の料理は美味しいもんな。
和、お野菜も食べて」
和也は智ほど食は細くないがその分、偏食。
野菜類はなかなか手をつけない。
まぁそう言う意味ではハンバーグは有効な手段だけど出来れば野菜の形がある状態で食べて欲しいと思うわけで。
「この二人、保育園でちゃんと食べてるのかな?」
翔が心配そうに言う。
「確かに…この偏食ぶりだと心配にもなるよね?
今のところ特に何も言われてないけど…」
お迎えで連絡事項を聞くことが多い潤が答える。
「明日、見れるかな?」
「どうだろう?」
「ね、智、和?
今日さ侑李くんや涼介くんのママたちが保育園に来てたんだよね?」
翔が洗面所での二人の報告を思い出して聞く。
「ん、いた」と和也。
「ご飯食べてるときにいた?」と潤。
首を傾げる和也と頷く智。
「智、いたの?ママたち」と短く質問する翔。
「ん、いた。
ゆーり、ごはんのあとえーん、ちてた。」
「侑李くんママがバイバイしたから?」
「ん。ごちそーしゃまして、ばいばいちた」
智は観察力に優れたタイプ。
見たことを自ら発信することは多くは無いが、実は多くのことを見ている。
視野の広いタイプ。
一方、和也は一極集中型。
興味のあることにはトコトンだが、興味がなければみているようで見ていない。
そんなふたりの性格を熟知している翔。
「智の言うことを信用すると、ランチタイムの後に撤収だな」
と翔が明日のプランを考える。